物欲小学生

 
人は嘘を気づかれないと思った瞬間、有頂天になりがちだ。
絶対にバレるわけないんだ!と自信に溢れ、いろいろなことをやり過ごしてきた経験があるのではないだろうか。
 
特に小学生のとき、欲しいものを手に入れるためなら、親に嘘をついたり関係ない物事に結びつけるのは常套手段である。
 
思い返してみれば、僕も親に多くの嘘をついてきた。
 
 
2005年から空前の地球温暖化ブームがやってきた。
ワンガリ•マータイさんの「MOTTAINAIキャンペーン」や
アル•ゴア元副大統領の「不都合な真実」はエコブームに火をつけた
といっても過言ではない。
 
北極の氷が崩れ落ちる映像は何回も見た記憶がある。
 
様々な評論家が地球温暖化についての激論を繰り広げ、
大人がエコブームにビジネスチャンスを見いだし商品開発をしている間、
必死に野球ボールを追いかけていた少年がいた…
 
 
そう、僕である。
 
 
子供は何も知らない。
メディアの影響で「二酸化炭素」、「CO2」という言葉を
ネガティブワードとして勘違いしている子供たちがやりがちな行動として、
「息を止めるゲーム」というのがあった。
 
息を止めれば二酸化炭素出ないじゃん!!
ああ、なんておバカなんだろう。危険なだけだよ。
 
「エコ」は良いことという認識は、当時小学校高学年の僕はわかっていた。
 
僕はどうしても何かの漫画が欲しかった。
我が家は少し厳しかったので、漫画やテレビゲームが家に置いてなかった。
どうーしても欲しかった。
 
欲望は止められないものだ。
 
こじつければ買ってもらえると思った野球坊主は革命的なアニメと出会った。
うえきの法則」である。
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内容は「能力者バトル」で、よくある漫画のパターンだ。
しかし主人公の能力が「ごみを木に変える力」で、名前は何と植木耕助…
 
 
 
ああああああああああああああああああああ。
エコじゃん。すごいエコじゃん。なにこれ。
 
 
 
小学生の頭フル回転!!
親に「エコを学べる漫画があって、すごい勉強になるよ!」と
エコ面のみで押し切る。
何を聞かれてもエコで返答。
 
たぶん本心はバレていただろう。
しかし急に熱弁しだした僕に打ち負けたのか、購入することに成功したのである。
 
今も子供たちは頭をフル回転させ、物欲のままに動いているだろう。
 
「お母さん!今ってコミュニケーション能力無いと、生きづらいんだってー。だからさだからさ、将来立派な大人になるためにPepper欲しいんだけど!」
 
…頑張れ小学生!!!